ところで、縫った顎の裂傷は、1回目の診療の約束通り、GPに行かずに2回目の診察で若い女性医師に抜糸してもらっていた。実は、そのとき、取り忘れがあった。
 かさぶたと一体化していたので見えなかったのだと思うし、私も粘り強いかさぶただとずっと思っていた。この3回目の診療の2日前に、「抜糸から2週間経ってもここだけかさぶた取れないなあ…」といじっていて、「!??これ、結び目だ!!」と気づいたのだ。傷が治りすぎて糸が抜けないということはないのだろうか?と不安になりながら、3回目の治療のときに無事若い男性医師に抜いてもらった。

 医師は「本当だ。取り忘れだね」と笑っていたが、何針縫ったか記録に残っていないのだろうか。予約のタイミングが合わない場合は、GPに抜糸してもらいに行けという制度なので、記録していないのかもしれない。少なくとも、退院書類には投薬情報などはあったが、何針縫ったという情報はなかった。
 ともかく、「これって医療過誤って言われてもおかしくないんじゃないの?」という脱力感があった。そんないい加減な連携体制だあるということ自体が、歯をめぐる二転三転とともに、この3回目以降、私のイギリスの医療に対する信頼をだだ下がりにしていった原因の1つだった。



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(かさぶたが取れてもかなり生々しい傷が残ってしまったと相談したら、薬局でこれを買えと言われました。バイオオイル。)

※どうも日本でもセレブの間で広まっているようです。アンチエイジングとか妊娠線とりとか、要は肌のでこぼこを目立たなくする薬のようです。薬局で「バイオオイルを買えと言われたけれどどれ?」と言って持ってきてもらいました。わかって注目していれば、ファストファッションの店プライマークにもありましたし、本当にどこでも売っています。


[2016年9月21日追記]
と、書いたのですが、2016年9月に再渡英したときには、薬局店頭に見当たりませんでした。数店探して「これはおかしい」と思って聞いてみたところ、万引きNO1商品のため、店頭に出していないとのことでした。でも、だったら、「バイオオイルは店員にお問い合わせください」くらい書いてあってもいいのになと思いました。