「ロイヤル・ロンドン・ホスピタル」なる、あきらかに大病院そうな名前のところに行かされることになった。どこかと聞くと、ホワイトチャペルだという。最初、西側のホワイトシティと勘違いして、近いのかと思ったが、イーストロンドンだという。どちらかというと中心部の中では西側に住んでいたのに、北の病院にたどり着き、今度は東に大横断をせよ、と。しかも、NHS病院ということだった。この二重のショックをなんと言ったらよいのか。

 事故現場で1時間待って救急車に乗ったとしたら、おそらく場所からしてキャサリン妃が出産した病院(1)に運ばれていたのではないかと、後から何人かの方に言われた。そこで口腔外科の対応はできただろう。そのほうが結果的に早かったのではないか。
 しかも、本当に困ったときはNHSではなくプライベートという認識でいたのに、なんと、NHSの病院に回されると言う。これは軽いカルチャーショックだった。



(1)

 パディントンのSt Mary’s。キャサリン妃はプライベートの高額な病室を利用されたそうです。
 後に悔しいので行ってみましたが、アレキサンダー・フレミングがペニシリンを発見したラボが保存されていて(Alexander Fleming Museum)「フレミングって左手の法則の人?」くらいの知識だったのに(別人です)、妙に興奮しました。それにしても、戦後すぐくらいまで、転んで顎を切ったら、破傷風になったり化膿したりして、すぐ命にかかわる問題になってしまったのですね。なお、そこで「ブドウ球菌」という単語が頻出したものの、英語の方は結局覚えられませんでした。

f2-1-1 St. Mary's

(セント・メアリーズ・ホスピタル)