結局、病院を出られたのは6時以降だったと思う。2晩泊まったことになる。実は、このことがちょっとしたラッキーだった。
前述のように、そもそも手術か?とならなかったら、泊まらせてもらえたかあやしい。状況的に、最初の1晩は高熱も出たので、1人で帰されるよりありがたかったので、泊まれてよかった。どうせつらい思いをしたのだから、病院の中というものを観察できてよかった。(友人も、さすが同業者、おもしろかったと言ってくれた。もちろん私に気をつかわせないようにという部分もかなりあろうが。)
それに加えて2泊になると、海外旅行保険の待遇が違うのだ。
事故直後から、日本の両親には連絡をしていた。心配をかけるとも思ったが、何かあったときに、日本で動いてもらうにしても、駆けつけてもらうにしても、やはり彼らに頼るしかないからだ。
けがの度合いがよくわからず、手術などという大事なのか?という状況の中、実務家の父が、代わって電話してくれた友人にまっさきに言ったのは、「2晩泊めてもらえ」ということだった。
その心は・・・。2泊3日以上の入院になると、旅行保険で家族の救援費用が出るとのことだった。万が一、駆けつけるときの飛行機代と宿泊費が3人分まで旅行保険でカバーされるというのだ。
もちろん、友人も私も、NHSなのでこちらの要望で入院を長引かせることは難しいと言った。
2日目に手術をしたら、そのままもう1泊で、計2泊だっただろう。手術をしなくて2泊となったのは、ひとえに手術の必要性について二転三転し、CTの順番待ちをし、あのつらい待ち時間を耐えたからだった。
結果的に救援費用なるものを使うかどうかはともかく、苦労したので、その甲斐があったような気がする「ごほうび」がついてくることは心理的に重要だった(1) 。
(救援イメージ?)