どうやって呼ばれるのかと思ったが、なんとその都度医師が待合室までとことこ出てきて患者を呼んでいた。もちろんファーストネームから呼んでくるので、要注意。日本で、「やまださーん、やまだたろうさーん!」となるところ、「タロウ?タロウヤマーダ」と呼んでいた。
朝だったので、予約の時間から15分程度で呼ばれたのではなかったかと思う。呼びに来たのは若い女性医師だった。
奥の通路の右側に診察室が並んでいるようで、その一室に導かれた。どうやら、まずその若い医師(ジュニアドクターであろう)が、見てくれるようだった。
診察室は正方形に近い形だった。隅にカウンター状のテーブルがあり、その上のパソコンにカルテが表示されているようだった。歯医者なので、いわゆる歯医者の椅子が真ん中に置いてあった。
ここまで座らされた病院の椅子はすべて足が椅子の上に乗ってしまうようなものだったが、なんとなく足のあたりにカバーがされていたので、靴は脱がなくてよいのだろうと判断していた。しかし、靴を椅子の上に乗せるときに心理的抵抗がある、日本人な自分がいた。
ずいぶん後で気づいたのだが、プライベート病院からここに至るまで、病室内に看護師はいなかった。入院病棟以外で看護師を見たのは、破傷風の注射をするときに医師に呼ばれた看護師が来たときだけだ。開業医でも看護師が診察室に立っている日本は変なのだろうか。
日本と同じで、まず医師は様子はどうかと聞いてきた。固定器具はほとんど取れたこと、固定の位置に不安があることを伝えると、メモをしていた。一通り口をあけて、顎の動きや歯をチェックすると、その医師は、外へ出て行った。
最初はわからなかったが、どうもここで本当の診断をするプロフェッサーを呼びに行ったようだ。このとことこ歩いて呼びに行くシステムは、果たして21世紀にありなのだろうか…。
(診察室イメージ図。書きなぐりすみません(その2)。)